ロンドン生活ブログ。音楽のこと、ファッションのこと、ピアノのレッスンのこと、その他雑感、クラシックな物事が好きな夫婦のフツウの話。
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25.Apr.2024
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今週の週刊classicは、8月15日発刊ということで、ベートーヴェンの「月光」と、それにまつわる特攻隊員のエピソードを紹介した。この実話をもとにした小説「月光の夏」を数年前映画で見た。


戦争という極限状態の中では、命の尊厳は侵される・・・、これほど恐ろしいことが他にあるだろうか。
自分の意思でないところへの忠義のために、自らの命を捧げなければいけない。
なんと馬鹿げた話・・・しかしそれが現実だったという、悲しい話である。


ベートーヴェンの「月光」ソナタは、戦争とは何の関係性ももたない、彼の初期の代表作。
後の円熟を増した渋みのある作品と比べると、生来の激しい気性とナイーヴな音楽性の融合がむしろダイレクトに感じられる作品である。死を決意し有名な遺書を書き残す前年に書かれた。

世間と精神的な隔たりを持っていたであろう天才芸術家は、自分のあふれる情熱、怒りを、すべて音楽にした。

人生=音楽
生きること=音楽
命=音楽

何もここで、「月光」と戦争を安易に結びつけようなどとは思っていない。
まして、「生きること」について語れる素地など何もない平和で凡庸な私の人生である。
ただ、孤高の芸術家の生きた証を聴きながら、昔まだ20歳そこらでいろんな思いを胸にその曲を弾いて、天に昇って行った青年のことを考えてみる。



一部の先人の犯した最も愚劣な罪をよく省みて、平和を考えようと思う・・・
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無題
こんにちは。私が子供の頃は,登校日に戦争映画(毎年蛍の墓だったような気がします)を見ていました。
今の子供たちは,登校日すらないそうです。
戦争経験者が少なくなっていく日本で,戦争を知らない親たちが戦争を知らない子供を育て、「え?日本も戦争してたことあるの?」などと容易に口走る子供が増える日はそう遠くないように思います。
もちろん、歴史の授業などでは勉強するのでしょうが、たった僅かな時間でも戦争について真剣に考える時間が減ることは、この国にとってマイナスではないかと思う今日この頃です。
そんな私も、もっともっと自国について勉強する必要があるのですが・・・。

それにしても、何時の時代も天才は孤高なのですね。
相変わらず,クラシックと関係ないコメントでごめんなさい。

yuki 2006/08/15(Tue)10:09:22 編集
まさに、
警鐘を鳴らすべき状況ですね。
私は、世の中学生は修学旅行は揃って広島か長崎に行くべきだと思います。
ディズニーランドやハワイに行かせるオトナの神経が分かりません。
そんなことはプライベートで勝手に行なうレジャーであって、何も学習の一環として雁首そろえて行かんでよろしい、と思います。
確かに幼少の頃見せられた戦争映画は強烈で、ある意味一生トラウマティックな記憶にはなりますが、それこそ我々を戒めてくれる大事な傷ですよね。
yukiちゃん教育委員会に電話しといてー。

【2006/08/16 21:50】
無題
先日、クリスチャンの友達が、“今終わりの始まりが来た”、と書に記されていると言っていました。昨今の世界の動きを見ていると、妙に説得力のある言葉です。 もしそれが真実だとしても、流れを変える手立てがあるはずですよね。月光を聴いて考えよう~~(ーー;)  
katy 2006/08/15(Tue)11:42:36 編集
ほんまに、
世紀末の序章のような昨今、世の終わりがうすうす見えてきている気がするね。やっぱり私達人間は、もっと大きな力によって揺さぶられないと過ちに気づかない生き物なんだろうか。
そんな世の中でも、立派な人は沢山いるのにね~。周りをざっと見回しても「戦争反対」と唱える人があふれているのに、何故戦争が地球上から無くなる日は来ないのでしょうかね。
権力は人から何もかも奪って悪の権化に変えてしまうものなんでしょうかね。
今回の日記は非常に退廃的な空気が漂っています・・・
でも、明るい未来を信じなくなってはそれこそおしまい。希望を持ってガンバロー!  
【2006/08/16 21:59】
無題
お久しぶりです。
mai姉さんの「月光」の日記を読んで、改めて「月光の夏」を観ました。
今の自分よりもずっと若い、自分の弟と同じ年ほどの青年(少年?)が命を奪われていく様を観て、多くのことを考えさせられました。
最近は昭和天皇の映画にメモ公開、靖国参拝に・・・と日本もその話題で穏やかではありません。
でも、それでも、戦争に対してある種他人事のような、変に距離感を持ってしまうのは、やっぱり平和ボケでしょうかね・・・
あやこ 2006/08/27(Sun)02:32:46 編集
平和ボケ・・・
しながら人類が永遠に平和でいられたら言うことないわけで、何も危機感持って生きなきゃいけない筈はないんでしょうけども・・・人間って阿呆ですからね。
あやこちゃんの弟クンたちが、青春を生き生きのびのび生きられるような世界が、地球のどこでも広がってるといいのにね。
平和ボケをいい意味で回避するために、時々こうやって戦争談義をしましょう。だって戦後生まれですから、距離感を持ってしまうのはしょうがないって言えばしょうがないもんね。せめてそれを縮める努力をするしかないですね。第一回戦争談義は開催地ロンドンです。来てね。
【2006/08/28 04:35】
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