ロンドン生活ブログ。音楽のこと、ファッションのこと、ピアノのレッスンのこと、その他雑感、クラシックな物事が好きな夫婦のフツウの話。
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02.Oct.2006
随感その2
たまたま「ほぼ日」というサイトで糸井重里氏が、映画製作の話で最近の有能な若者が一様に「成功すること」に興味を向けている風潮を危惧している風なことを書いていたのを見て、それはまさに私達が日々話題にして悲観していたことだったので、誰かの意見として聞くと、あらためて事の深刻さを感じました。

一言では言えませんが、たとえば「きれいなお花屋さん」や「おいしいケーキ屋さん」などを夢見ていた純真な子供達が、「何屋さんになればリッチになれるかな~」と頭を捻る大人になってしまったようで、ちょっと悲しいな~と感じることが度々あるからです。

必要以上にがっぽりお金が舞い込むなんてことは、ひたむきな努力とか奇抜な発想とかの産物として、思いがけず起こって欲しいと思うのです。
まず内容がある前に「がっぽり」を目標に据えて、それから最短コースを探るようなやり方は、よんどころない理由があって物入りの人達だけに限って許される生き方であって欲しいと思いマス。


「売れるものを売る人」より、「売りたいものを売る人」が多いマーケットの方がなんとなく素敵じゃないでしょうか。
「売りたいものを売っている」人はそれで幸せだろうけど、「売れるものを売る」人はどこで幸せを掴むのでしょう?
「売れて」がっぽりの時でしょうか?次に「もっと売れるもの」を思案する時でしょうか?
そんなの曖昧で味気ない人生だなあと思うのは、もしかしたらもう我々だけなのかもしれないですね。


このこととベストセラーになるモノがしょうもないモノである事実は、またちょっと違うようで、やっぱり同じ問題をはらんでいると思います。
「さすが売れるように書いたという点では見事だけど、作品としては全く程度が低い」本や、「このキャスティングじゃあせっかくのいい台本が台無しだけど、売れっ子を起用しないとヒットしないであろう」映画など、内容の質よりもマーケティング優先の世界。人々はそれに扇動されているのかそれを誘導しているのか、卵が先かにわとりが先か、それはもう分からないけど、なんだかしょんぼりしてしまう。


だからというわけではないですが、作家にしても漫才師にしても、「技」を見事に披露してくれる人のモノを好んで見たいと思います。
売れてる人はドラマに出ても、本を出しても、ブランドを出しても売れる。俳優とか作家とかデザイナーとか、プロとアマチュアの見分けがつかなくなって、売れてる度合いだけが問題になってしまったら、どんどん世の中薄っぺらくなってしまう。
知性も才能も技術も全部「商業」の前にひれ伏すなんて、黙っちゃいられません。


話が二転三転してまとまりがなくなってしまったけども、私達は名より実を見抜ける力を持ち続けて、もっと地に足つけて、いいとか悪いとか幸せだとか不幸だとか感じられる人間でありたいと思います。

こんなことを話しながら、私達はお金持ちにはなれないな~と笑う毎日であります。
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無題
 この話題に関して、ちょっと思うところがあるが、いま出張で忙しいので、今度コメントさせてちょ。
はんにん 2006/10/04(Wed)16:44:03 編集
まずは
元気に頑張ってるみたいで、安心☆
出張は会社に着くまでが出張です。気をつけて帰っておいでなさいませ。
コメント待ってます。
【2006/10/05 15:40】
お誕生日おめでとう!
私もお金持ちになれない系よん。
またメールするね!
れんちゃん URL 2006/10/05(Thu)09:58:03 編集
ありがとう☆
れんちゃん、ありがとう☆わたしたちの出会いから10年経ってるね。感慨深いわ~。あなたの心根はずっとかわらずあったかいけど・・・
共に清貧に甘んずるの心意気で行こー!!!メールします。
【2006/10/05 15:35】
ながながとごめん
 私のアイデアは、仕事には他人の評価が必要であり、そのわかりやすいインジケーターは金であり、従って商業的成功を軽視することはできないというもの。

 まいちゃんのは拝金主義的な風潮、あるいは商業的成功に重きを置く価値観に対し、違和感ないし不快を覚える、という主張と理解した。
 これは価値観の問題なので、反商業主義的価値観そのものを批判したりすることはできないし、むしろ私もどちらかというと、大ざっぱに言って反商業主義だ。

 しかし、人間が生きていくためには、食わなければならぬ。お金がいる。
 「あしたに道聞かば夕べに死すとも可なり」という言葉がある。これはつまり真・善・美など、ある崇高な物を極めれば、生は二の次三の次という態度を表した物だが、絶対におかしい。芸術の上に我々の生があるのではなく、我々の生の上に芸術があるのである。乱暴な言い方になるが、そもそも肉体的生がなければ、こうした崇高な物のもたらすよろこびも享受できないのである。

 まったく売れない仕事をしている芸術家なり学者なりが果たして幸せであろうか?
 仕事は、他人の評価を必要とする。オナニスムの人でなければ、他人の評価は欲しいところ。私見では、そのもっともわかりやすいインジケーターは、金である、換言すれば、他人の評価は金銭という形で明示的に示される。
 そう考えたとき、決して商業的成功をばかにすべきではないのである。と私は強く思う。
 もちろん、人の仕事を正当に評価するというのは、極めて難しい作業である。よく死後になってようやく仕事が評価される人がいるが、そうしたことを示す例であろう(なぜか、世の人は生前評価されず、死後に名声を得る天才を愛するだが)。逆に商業的成功を収めている人が、果たして才能があるかと言われればそうでもない、と感じることはしばしばである。
 「「売れるものを売る人」より、「売りたいものを売る人」が多いマーケットの方がなんとなく素敵じゃないでしょうか」というアイデアには共感する。だけど、多く世の人は自分のやりたい仕事だけをやって生きていくことはできない。

 長々とすまないが、私も昔、「あしたに道聞かば夕べに死すとも可なり」とずっと思っていた。それでちょっと思ったことを言いたくなってしまって。聞き苦しい点もあると思うので、不快でしたら無視してください。ごめんね。
はんにん 2006/10/18(Wed)13:06:05 編集
深刻な受け止めは歓迎!!!
しかし長いコメントやなぁ、はんにんよ。
はんにんの意見はすごく共感できるよ。我々の意見は、それを前提にしたところにあるんだもんね。
私こそ教育という名のもとに知識と経験と労力と時間をお金で買ってもらってごはん食べている人間ですからね。それをお金で評価してもらえないと路頭に迷いますから~。
だから、そうやって評価をお金で受けてごはんを食べてる私たちにとって、お金とは欠かせないものであるが、しかしそれ以上のものになってはいけないと言いたい。
はんにんの言うとおり、働く人の数だけ仕事の種類があり、やりたい人もやりたくない人も、生きるためにがんばってお金を稼ぐこの世の中だから、お金が必要以上に威力を増して若者の心を奪うことがあってはいやなんです。
実際簡単に死ねるはずない世の中だからこそ、朝に道を聞いて夕べに死んでも悔いなしという心意気で生きるのはやっぱりかっこいいと思う。
「死ぬ気で!」と言っているのに「死んでたまるか!」とか「いや、実際死ぬべきだ」とか極論を繰り広げられるのが一番困るけど、要は、お金を稼ぎながら生きていること全てを前提にして、それでも「お金よりも大切なもの」を声高に掲げて生きていくという熱い姿勢が大事だと思う、ということです。
ちなみに、我々が言いたかったのは、「ものづくり」に関して。これはやっぱり建前でもビジネスと相反していて欲しいと思う。だって、やっぱり売れなくても幸せな芸術家や学者は沢山いるからね。(飢え死にするレベルの人は知りませんが。それは多喜二論でよろしく。)
生活のためにみんな必死で働いているからこそ、ただ「がっぽり」を夢見てものづくりをする人が増えれば、真に評価されるべき「商業的成功者」が曖昧になってしまうと思うもんね。
我々の日記は、この「ものづくりの精神」というとこにポイントがありました。
書けば書くほど、米粒大の文才が傷を大きくしていくのを感じる・・・
はんにんはええな~。文才って学習で伸びるんでしょうか?
長いコメントには長いコメント返しやな。
今のはんにんの心情とかうかがい知れて、随分しゃべってないので、久々におもしろいです。
仕事がんばってね☆
【2006/10/18 22:51】
無題
自分の書き込みへのレスがつけられなかったんで新規投稿しますが。
私に文才なんてないよ。ただ正確に語ろうとしてこのスタイルになっているが、その目的は達成されているのだろうか?
仕事もあきれるほどできないし…。むぐぐ。
はんにん 2006/10/27(Fri)21:07:38 編集
はんにん
達成されてるかどうか、これまた100%確認できないところがおもしろいよね。
仕事は出来るでしょ~。
最新の動画はないのん?
【2006/10/28 23:57】
レス
レスありがとう。詳細はこれですd(´∀`*)グッ☆ http://l7i7.com/
私だ URL 2012/02/11(Sat)14:11:26 編集
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