ロンドン生活ブログ。音楽のこと、ファッションのこと、ピアノのレッスンのこと、その他雑感、クラシックな物事が好きな夫婦のフツウの話。
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04.Feb.2025
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21.Aug.2006
天才とは。
天才とは何でありましょう?
凡人である私にとっては、しょっちゅう「天才だ!」と思える人がいますが、実際天才というのは、100年に一人くらいの割合でしか現れないレアな人のことでしょう。

今週の「週刊classic」で取り上げたピアニスト、フランツ・リスト。彼の才能を否定できる人はいないでしょう。
88もの鍵盤を自在にあやつり、すさまじいテクニックで見事な音楽を奏でる魔術師。
彼には、いかなる曲をも初見で弾きこなしたという伝説があって、その能力を超える者は目下いないとされています。昨年ブラームスのスケルツォを毎日せっせと練習していた折、この曲をブラームスがリストに見せた時、目の前で完璧に弾きこなして「いい曲だ」と言ったという記録を思い少し切なくなりました・・・



カンパネラといえば、やっぱりアンドレ・ワッツでしょう。1946年生まれのアフリカン・アメリカン。蜘蛛のような長い手足でカンパネラを爽快に弾ききってしまう彼を、母親の影響で幼い頃にTVで見た記憶があります。
何度聴いても素晴らしい演奏です。

リストは、超絶技巧をマスターしたものだけが、その上にある美しいものを表現できるというようなことを言っています。
ワッツこそそれを実地でやってのけた達人でしょう。


さて、この驚異的な曲を、堂々と我流で飲み込んでしまった人が、フジ子・ヘミングでしょう。
こうなれば、リストが云々以前に、共感者を得た人の勝ちですね。そもそも音楽の解釈は自由であるはずですから。
何よりジャケットがかわいくて、欲しくなるCDですね。この人の画才はマル。
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今週の週刊classicは、8月15日発刊ということで、ベートーヴェンの「月光」と、それにまつわる特攻隊員のエピソードを紹介した。この実話をもとにした小説「月光の夏」を数年前映画で見た。


戦争という極限状態の中では、命の尊厳は侵される・・・、これほど恐ろしいことが他にあるだろうか。
自分の意思でないところへの忠義のために、自らの命を捧げなければいけない。
なんと馬鹿げた話・・・しかしそれが現実だったという、悲しい話である。


ベートーヴェンの「月光」ソナタは、戦争とは何の関係性ももたない、彼の初期の代表作。
後の円熟を増した渋みのある作品と比べると、生来の激しい気性とナイーヴな音楽性の融合がむしろダイレクトに感じられる作品である。死を決意し有名な遺書を書き残す前年に書かれた。

世間と精神的な隔たりを持っていたであろう天才芸術家は、自分のあふれる情熱、怒りを、すべて音楽にした。

人生=音楽
生きること=音楽
命=音楽

何もここで、「月光」と戦争を安易に結びつけようなどとは思っていない。
まして、「生きること」について語れる素地など何もない平和で凡庸な私の人生である。
ただ、孤高の芸術家の生きた証を聴きながら、昔まだ20歳そこらでいろんな思いを胸にその曲を弾いて、天に昇って行った青年のことを考えてみる。



一部の先人の犯した最も愚劣な罪をよく省みて、平和を考えようと思う・・・
時として、単純に気分が明るくなるような曲を聴きたいと思うことがあります。
ただ美しくて楽しい、しかし根本的に深く魅力的なもの・・・そうなると、やっぱりこれしかありません。


今週の一曲、シューベルトのピアノ五重奏「ます」です。
未読の方はこちら

ピアノソロではちょっと切ないし、オーケストラでは賑々しい・・・もっと木漏れ日燦燦(さんさん)な感じを求めるなら、室内楽が一番です。

チェロと言えばヨーヨー・マ。この人とピアニスト、エマニュエル・アックスのコンビは最高にさわやかです。
いつも大きな図体で上品に洗練された音楽を奏でるアックスと、シャツに手編みのセーターが渋い感じのヨーヨー・マは、こういう音楽をするのに波長がぴったり合うんだと思います。

とりあえず、これは一家に一枚あると健康的だと思われます。



シューベルトが貧困に苦しんだ青年であったとする説は、昨今疑問視されています。
私は個人的に、彼は今で言うちょっぴりオタク系天才肌だったので、いわゆる思春期の悩みや病気が、時に彼を鬱屈とさせたことは事実でしょうが、基本的に金銭問題が彼の生活に影を落としていたことはなかったような気がします。
ベートーヴェンやショパンの悲愴な感じとは、また違うからです。


どちらにしろ、この「鱒」は心身ともに健康で若く、夏休みの旅行のテンションそのままに書かれた青春の一枚なのです。
イギリス-掃除機-とくれば、誰もが知っているDyson(ダイソン)が有名ですが、忘れてはならないのがHenry(ヘンリー)君です。英国Numatic社製の彼、日本でも多くの方に愛されているようで、かわいいヴィジュアルのみならず、ジャンボジェット機内の掃除に使用されるなど業務用としての性能の良さが定評らしいです。

このヘンリー、イギリスでは至る所で見かけます。特に業務用としては、小型の自営業の店から大型量販店やチャリティーショップまで、今までヘンリーがないお店は見たことがない、というくらいほとんどのお店で使われています。(なにやらあやしいかおりがぷんぷん。)
しかしこのヘンリー、夫にはただの掃除機にしか見えません。基本的にアナーキーな暮らしっくシンフォニーの一員である我々は、一般に「キャーー。かわいーー。」と持て囃されるものには簡単になびきません。

先日も朝から、働いている某大型ショップでヘンリー君を引きずりまわしていました。夫が働いているお店は総面積が数百坪あるにも関わらず、掃除機はヘンリー君と弟分のジェームス君のみ。しかもジェームス君は前日から故障中。そこでフロア全体を、もう古くなり、鼻はちぎれ、コードは巻けなくなり、吸引力も弱ってしまった兄のヘンリー君のみで気休めの掃除をしていました。
「何故こんな、ただの丸い掃除機が大型店に・・・?かわいいふりしちゃって・・・」とぶつぶつ言いながら、彼を階段の上に一人残し他の仕事に取り掛かろうとしたその瞬間。何やら足に引っかかるものが!と思った時は時既に遅し。一階の段上から地下一階との間にある踊り場めがけて「ガシャーン!!ドカーン!!ゴロゴロゴロ!」という激しい音と共に、あはれ彼は転倒、落下しました。

壊滅していたら、ひどく上役からお叱りを受けるだろうと、戦々恐々とした面持ちで彼に近づいていきました。
しかし、体のシェイプを生かした回転で、にっこり顔のヘンリー君は一見したところ無傷。さらにスイッチを入れるといつもどおりのウィーーンという音が。
ヘンリー君。いいですね。なにがいいって、あの笑顔が素晴らしい。一家に一台どうですか?ヘンリー君。(ちなみに日本でのお値段は倍以上の4万円ほどです。)
先月中旬に、停電があった。
数時間で復旧したものの、夏の停電は冷蔵関係で不安が大きい。


3日前、また停電。
1時間ほど経っても戻らないので電気会社に電話すると、後5時間ほどかかるという。
オーストリア出張がてらイギリスの我が家に遊びに来ていた友人は、かわいそうに、せっかくのんびりする予定が、お茶も沸かせない家ではしょうがない、街に繰り出すハメに。しかし真夏に計6時間も配電を止めて許されるものでしょうか?



停電の原因は簡単。何の工事かは知らないが、家の前の道路がほじくってあって、地下の配線がむき出しになっていた。猫でも軽くかじれる状態。
結局我々が夜帰宅するまでには復旧し、妻の携帯には電気会社から
「多分4時頃には電気が戻ると思うんですが、ダメなら24時間サポート電話の0800XXXXXXXにお電話を!」というメッセージがさわやかに入っていた。



翌日、また停電。もう理由も明白だし、電話しても効果はないので、ほっといて外出。帰宅したらonになっていた換気扇が元気良く回っていた。





そして昨日。
「バチ」と音がして、リビングの電気が消えた。
「今日もか」と思ったけど今回のは停電ではなく、単に天井の配線がおかしくなったらしく、我が家の問題。タイミングが素晴らしい。
早速大家さんに連絡。
今朝大家さんより連絡で、「電気屋さんがホリデーに行ってるから、帰り次第来てもらう」とのこと。・・・他に電気屋はいないのか。


ちょうどいい機会なので、乗り遅れた100万人のキャンドルナイトで遅ればせながらに地球に優しい夜を送ろう・・・
一昨日、ロンドンはテムズ川沿いにある、テートモダンがギャラリーの増設のプランを公表しました。
新しいギャラリーはガラス箱を積み上げられたような形になっており、このジッグラト、総工費£M215(約450億円)で高さは70m。2012年のオリンピックに合わせて完成するようです。Times紙より
テートモダンの年間来館者数は、完成当初予想されていた180万人を大きく上回り現在400万人。
ちなみにニューヨーク近代美術館(MoMA)の年間来館数は270万人、パリのポンピドゥーセンターは250万人。


Tate Modern のディレクターNicholas Serotaによると、この増設によって展示スペースが60%拡張されるそうです。

個人的に、あの発電所をほとんどそのまま再利用した外観が気に入っていたのですが、このガラスの塊によってそれも隠れて見えにくくなってしまいそうですね。
テムズ川沿いもどんどん近代的な建物で埋まってきており、非常に残念に思います。我々ロンドン暮らしっくシンフォニーの一員にとっては理解し難い美意識ですが、いつの世も新しいものを求めて古いものを淘汰していく流れは、とめられないものなんでしょうか。

今週の「週刊classic~今週の一曲~」vol.9では、先週に引き続き、ショパンをとりあげました。まだ未読のかたはこちらからどうぞ。

何と言っても知名度高いのはやっぱり「別れの曲」ですよね。
過去にクラシックは知らないけど、別れの曲は好き、、、という人に何人出会ったことでしょうか。


なぜここまで有名になったか・・・


というよりは、ナゼこれほど人々の心を掴んだか・・・


ナゼクラシックなのにベストセラーになったか・・・


それはまさに、ドラマ効果でしょう。ドラマの感動とともにこの曲がやって来たことにより、人々は日ごろ「難解である」と敬遠していたクラシック音楽を、ダイレクトに心に招き入れたのです。

具体的なイメージである「ドラマ」に対する感情、感動が、そのまま曲のイメージとなり、スルっと受け入れられたわけですね。



要するに、聴きなれないし、感情移入出来る歌詞もついてない「分かりにくい」クラシック音楽は、何かのきっかけさえあれば見事にあなたを魅了するというわけですね。


では想像力を養うつもりで、別れの曲以外のエチュードも聴いてみて下さい。あなただけのドラマと、あなただけのBGMが生まれるはずです・・・
とりあえず、ポリーニの爽快なるエチュードと、ペライアのじゅわっとしたショパン、オススメです。どちらも24曲入っています。




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